グランジロックに学んだこと

90年代に高校生活を送った帰宅部の私は、当時無気力と退屈の極限におり、生きる意味も失いがちななんの意味も見出せないい日常を送っていた。自分のアイデンティティを何とか維持するために洋楽をロッキングオンなどの雑誌を参考に買いあさり、遠い外国のロックシーンに想いを馳せ、暗い田舎の曇り空のバス通学を何とか乗り切ったものだ。

当時聴いた音楽は今聴いても全く色褪せていなく、最近の高レベルな音楽理論を駆使したような素晴らしい音楽群よりも荒削りで、そしてみんな貧乏っぽくて田舎者で、繊細すぎて適応障害でドラッグ中毒ばっかりで、でも何とか音楽だけを頼りにして生きているような人間だらけで、とても誠実で正直な人間が当時のシーンを引っ張る主役という信じられない時代だった。今にして思えば、彼らの多くは死んでしまったけれども、彼らの正直さには非常に大きな、人生への態度ともいうべき影響を受けた。

よく分からん金持ちの道具にはなりたくない、だけどロックスターにはなりたいと夢見てる彼ら。毎日毎日ツアーに明け暮れる狂ったロックの生活には正直すぎる彼らにはちょっと荷が重かったのかもしれない。多くの正直者たちが自ら命を絶っていったけれども、私は彼らから引き継いだ正直さを大事に生きていきたいと思う。

 

永野さんのyoutubeを見ながらそんなことを考えていた。


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