頭の中がもやもやとする夜に

頭の中がもやもやとする夜によく分からない穏やかな曲を聴いて、ぼんやりとしていたら、自分の中の宇宙に気がつく。

外の世界のことなんてみんな幻だ。何にも関係無いことだ。頭の中がもやもやする夜に、真っ白な画面に向かいながらテクテクとキーボードを叩く。

ヘッドフォンをしているけれど、誰かがこっそり部屋に入ってきたらどうしよう。そっと外して外の音を聞く。階段の下からお母さんが夕飯だよと呼んでいないか、電話だよと呼んでいないか、気になった昔が蘇る。

昔は良かったのはみんなが生きていたその事だけだ。毎日は過ぎ去って、昔になる。昨日はとても良い日だ。みんなが生きていたから。

ウィルスがやってきて、お母さんは死んだ。死んだ日に虹をかけてくれたけど。そりゃ無いぜって感じだ。

昔が良かったのはみんなが生きていたその事だけだ。